『ファイナルファンタジーV』(SFC版・裏技なし)RTAレポート


2009/04/05 ドミネーター


■まえがき

このレポートは、2009年4月5日に行った
SFC版『ファイナルファンタジーV』(裏技なし)のRTAについて書いたものです。

『FF5』のRTAは、2008年4月30日に一度行っており、
そのときのタイムは 4時間47分40秒 でした。

今回は同条件で記録更新に挑み、
19分 短縮の 4時間28分20秒 でクリアできました。

このレポートでは、2008年4月30日に行ったRTAを「前回」とし、
それと比較しながら、解説を行っていきます。



■プレイ条件


◆禁止事項

前回と同じく、プログラムのバグを利用したテクニックを禁止しました。
代表的なものを書くと、

・『なげる&ぬすむ』で、盗んだアイテムを99/255個に増やす
・『クイック』中に自滅し、装備品を別のアイテムに変化させる
・『ちょうごう&れんぞくま』で、魔法のターゲットを強制的に変更する
・『かくれる』『ジャンプ』で敵の攻撃を無効にしたあとに姿を現し、
  それ以降の敵の攻撃を無効にする
・ 第3世界の古代図書館から『テレポ』でギードのほこらに戻り、
  通常のシナリオ進行を無視してゲームを進める

などです。
「ファイナルアタック封じ」については、仕様通りの動作で
バグではないと思いますが、【ネオエクスデス】と戦うために禁止しました。


◆機材

本体は 「型番SHVC-001(スーパーファミコン)」、
コントローラは 「型番SHVC-005(スーパーファミコンの付属品)」
ロムカセットは、1992年12月6日発売の 『ファイナルファンタジーV』
をそれぞれ使用しています。

なおロムカセットについては、「壊れたセーブデータしかない」状態でした。



◆セーブデータの状態

RTAでは、セーブデータがあっても作戦に支障はありません。

これは私的なコダワリで、RTAを録画するときは
「新しく買ってきたゲームを?時間でクリアしました感」(いやホントは全然違いますけど
を演出するために、なるべく、セーブデータを空っぽの状態にしています。

今回も、セーブ中に本体の電源を切って
セーブデータを消そうとしたのですが、内容が完全に消えずに、
「セーブデータが壊れた」 (内容が断片的に残っている) 状態になりました。
(電池切れだと、内容が初期化されて「セーブデータがない」状態になります)

「セーブデータが壊れた」状態だとわかったのは、タイトル画面でAボタンを押した時、
「正常なセーブデータがある」、「セーブデータがない」場合と、
遷移する画面が変わったからです。


 a. 正常なセーブデータがある場合
   タイトル画面 → データ選択画面 → ニューゲーム選択 → オープニング開始

 b. セーブデータがない場合
   タイトル画面 → チョコボが走るデモ → 数秒待つとスキップ可能に → オープニング開始

 c. 壊れたセーブデータしかない場合
   タイトル画面 → オープニング開始


オープニング開始が一番早いのは「壊れたセーブデータしかない」場合で、
一番遅い「セーブデータがない」場合と比べると 約15秒 早くなります。

一方「正常なセーブデータがある」場合と比べると 約1秒 早いだけなので、
わざわざセーブデータを壊す意義は薄いと思います。

これらの発見は偶然の産物でしたが、お陰で、思わぬタイム短縮が起きました。
前回のRTAは「セーブデータがない」状態でやったので、オープニングまでで
いきなり 10秒 以上ロスしていたからです。
ノーリスクでタイムが縮んだので、これは儲け物でした。


■ラップタイム

比較のため、前回のタイムを右側に記載しています。
なお「○○撃破」は戦闘が終了し画面が暗転した瞬間(おたから画面に行く前)、
「THEEND」は文字が止まり、BGMが無くなった瞬間でカウントしています。


【計測地点】           【今回】  【08/04/30】
・電源ON            0:00:00   0:00:00
・ウイングラプター撃破      0:18:14   0:18:44
・カーラボス撃破         0:30:01   0:31:13
・セイレーン撃破         0:38:06   0:39:20
・マギサ撃破           0:42:59   0:44:40
・ガルラ撃破           0:49:00   0:50:58
・リクイドフレイム撃破      1:01:28   1:04:27
・ぐんそう(アイアンクロー)撃破  1:05:56   1:09:53
・イフリート撃破         1:08:59   1:13:05
・ビブロス撃破          1:12:17   1:17:25
・サンドウォーム撃破       1:25:14   1:31:31
・クレイクロウ撃破        1:31:10   1:37:47
・アダマンタイマイ撃破      1:39:10   1:46:14
・ソル カノン撃破        1:43:32   1:50:40
・アルケオエイビス撃破      1:47:40   1:55:22
・ピュロボロス撃破        1:57:49   2:05:50
・キマイラブレイン撃破      1:58:55   2:07:07
・タイタン撃破          2:00:51   2:09:01
・ギルガメッシュ(1)撃破     2:06:44   2:15:06
・ギルガメッシュ(2)撃破     2:09:05   2:17:37
・ティラザウルス撃破       2:13:54   2:22:50
・アブダクター撃破(2)      2:23:15   2:32:55
・ひりゅうそう撃破        2:31:43   2:42:42
・ギルガメッシュ(3)       2:42:12   2:54:11
・アトモス撃破          2:47:14   2:59:15
・クリスタル撃破         3:01:17   3:13:47
・エクスデス撃破         3:13:32   3:27:28
・アントリオン撃破        3:20:14   3:34:30
・メリュジーヌ撃破        3:36:41   3:52:04
・カロフィステリ撃破       3:46:52   4:03:24
・アパンダ撃破          3:49:04   4:06:05
・カタストロフィー撃破      3:51:46   4:09:11
・ハリカルナッソス撃破      3:53:55   4:11:51
・ツインタニア撃破        3:55:04   4:13:08
・ネオエクスデス撃破       4:05:31   4:24:51
・THE END          4:28:20   4:47:40


世界ごとで見ると、第1世界で-9分、第2世界で-6分、第3世界で-5分
という感じです。


■前回からの変更点

今回は、全体の作戦をかなりいじっています。
各場面の変更点は、各世界のレポートに「解説」付きで記載したので
そちらを参照して頂くこととし、ここでは変更点の「コンセプト」について書きます。


【戦闘関連の変更点】

・バトルスピードを“4”に落としたことで、
 一部の戦闘では敵を先攻で倒せるようになり、タイムが縮んだ。
 (ギルガメッシュ(1)、ガブルデガッグなど)

・敵の機嫌や、命中率に左右されがちな戦法をなるべく避け、
 "安定して早い" 作戦になるよう改めた。
 (ぐんそう(アイアンクロー)、ひりゅうそう、アパンダなど)

・防御を重視していた場面を見直し、速攻のほうが有効な場合は作戦を改めた。
 (クリスタル(x4)、ガーゴイル(x2)など)

・「素早さ」の上昇する装備品でキャラの行動順を調整し、
  "行動せずに番を飛ばす" 機会が減るよう、作戦を改めた。
 (第2世界最後のエクスデスなど)

・敵に与えるダメージで「下限値」が出ても問題なく倒せるよう、作戦を改めた。
 (アルケオエイビス、メリュジーヌなど)


【エンカウント関連の変更点】

・ゲーム全編で「エンカウント調整」(次章で解説)を行うようにした。

・「エンカウント調整」で敵とのエンカウントが減り、総戦闘回数を減らせた。
 (前回:244 → 今回:175) ※1回減で-5秒くらい

・「エンカウント調整」により、敵と遭わずに通過できる場面が増え、
 ザコ戦対策のジョブチェンジを減らせた。
 (前回:135 → 今回:118) ※1回減で-4秒くらい

・「エンカウント調整」により、"カルナック脱出"までに
 『とんずら』を習得する必要がなくなったため、
  序盤戦のABP配分・ジョブ構成を変更でき、タイムを短縮できた。


【その他の変更点】

・作戦に必要な「ギル」と「アイテム」を見直し、回収するアイテムを減らした。
 (前回:88 → 今回:72) ※短縮度はまちまち

・メニュー操作やコマンド入力を反復練習し、操作をスピードアップした。
 (これはレポートではわからないので、興味を持たれた方は動画を…)


……いろいろな部分を変えていますが、前回と同じく、
"安定性" と "タイム" の両立が目標です。
今回の変更は「エンカウント調整」が目玉で、その短縮効果は絶大でした。
次章では、この「エンカウント調整」について解説します。


■エンカウント調整


◆エンカウント調整の概要

前回はエンカウントの仕組みを知らなかったため、
つねに最短ルートを歩くだけで、戦闘回数を減らす努力はしませんでした。
一方の今回は、ゲーム全編で「エンカウント調整」を行いました。

SFC版の『FF5』は、「ニューゲーム」ではじめる場合、
エンカウントのパターン(敵の出現位置/編成)がいつも同じになります。

エンカウントのパターンは、歩き方やエンカウントの仕方で
変化していくのですが、それらの手順を同じにすれば、変化の仕方も同じです。
そのため何度もプレイしていくうち、展開を予測できるようになります。

敵の出現位置や編成を予測できるなら、スムーズにゲームが進むよう
便宜を図るのは当然です。
それが「エンカウント調整」の主旨で、プログラムを暴走させたり、
ゲームを破綻させるようなものではありません。

具体的な利用法としては、ラーニングしたい青魔法を使うモンスターが
すぐに出現するよう戦闘回数を調整したり、
厄介なモンスターが出現する直前に別のフロアへ逃げたりします。


◆エンカウントを調べるようになったきっかけ

私がエンカウントについて調べる事になったのは、
前回の記録を『ULTIMAGARDEN』に投稿した際、
はたぼーさん、クロウさんから、エンカウントに規則性があることを
教えて頂いたことがきっかけです。

情報を頂かなければ、エンカウントに関する調査を行うことはなく、
今回、タイムを更新することもなかったと思いますので、
ここに改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。


◆今回のエンカウント方針

今回、RTA用に調べてきたエンカウントの情報は、
自サイトの「リサーチ」に資料として設置しました。 →クリックで資料に飛びます
レポートから分離したのは、追加調査を行う可能性があるためです。

サイトに設置したエンカウントの資料は、事例を多く記載したかったため
分量が増えてしまいました。
また、このレポートを読むうえでは必要のない情報も多いので、
重要と思われる事項を以下に記載します。


・エンカウントのパターン(出現する敵/出現位置)は
 「ニューゲーム」「セーブデータ」から、ゲーム本編をはじめた時に
 決定されている。

・「ニューゲーム」ではじめる場合、いつも同じパターンになる。
 「データロード」ではじめる場合、データ選択画面の入力タイミングで
 パターンが変化し、制御しづらい。
 そこで今回は、クリアまでセーブロードはしない。

・パターンは、ゲーム中の「歩き方」や「エンカウントの仕方」で
 変化するが、手順を同じにすれば、変化の仕方も同じになる。
 そのため、出現する敵・出現位置を、予測・再現できる。

・敵とのエンカウントが発生する場所では、特定の操作を行うことで、
 エンカウントする位置を後ろにずらせる。
 次のエンカウント直前で同じ操作をするとまたずらせるので、
 これを繰り返すと、ほとんどエンカウントせずに移動できる。
 (「エンカウント回避」)

・「エンカウント回避」を起こせる操作はいくつかあるが、
 フィールドでは「Xボタンのメニュー開閉」、
 ダンジョンでは「マップチェンジ」(場面によっては余分に歩いた後)
 が基本になる。

・「エンカウント回避」をした場合、次のエンカウント位置は
 所定の操作を行った時の状況(歩数)によって変わる。
 状況を同じにすれば、ずれる位置も同じになるが、
 状況が変わると、ずれる位置が変わるということでもある。
 そのため、「メニュー開閉」や「マップチェンジ」のタイミングを覚え、
 しっかり歩数を管理しないといけない。

・「エンカウント回避」をした場合、次に出現する敵(4種類)は変化しない。
 特定のモンスターと戦いたい場面で、目当ての敵パーティが出るよう、
 「エンカウント回避」で調整するのが効率的。

・実際にマップを「歩く」際は、"移動中にメニュー開閉"などの
 テクニックを使い、歩数を調整する(各世界の解説欄に記載)。


◆今回のエンカウント方針

「メニュー開閉」と「マップチェンジ」を駆使すると、
ザコとのエンカウントをかなり減らせます。
しかしRTAでは、レベル上げや青魔法習得のために、
あえてザコと戦う場面もあります。
闇雲に戦闘回数を削った結果、目当てのモンスターと
戦えないことになってしまったら、本末転倒です。

そこで今回は、各場面で以下の目標を達成できるように
エンカウントを調整しました。


【第1世界】
・カーウェン 〜 北の山 区間で【タトゥ(x2)】をすぐに出現させる
・カルナック脱出で敵を出現させない
・古代図書館の攻略中「256ページ」を含まない【64ページ】をすぐに出現させる
・ロンカ遺跡上空で4つの砲台と戦う際【ロケットほう(x2)】を2回出現させる
・ロンカ遺跡で【ヒュドラ】【ハイドラ】を出現させない

【第2世界】
・グロシアーナ砂漠を横断
・飛竜の谷で【????】を出現させない
・飛竜の谷で【ゴーレム & ドラゴンゾンビー & ボーンドラゴン】をすぐに出現させる
・バル城地下で【せきぞう(x5)】を2連続で出現させる
・エクスデス城1F〜3Fで敵を出現させない
・エクスデス城4Fで【マジックドラゴン】をすぐに出現させる

【第3世界】
・ピラミッドB5Fで【セクメト】を出現させない
・次元のはざま(洞窟)で敵を出現させない
・次元のはざま(次元城)で敵を出現させない



■手順


◆段組

ここから各場面の手順に飛べます。
レポートの段組は【操作内容】(白)、【解説】(水色)に分けています。
また「本番時の特記事項」は【操作内容】に 青字 で記載しました。

・ABP予定表 フレーム あり なし
・EXP予定表 フレーム あり なし
・第1世界   フレーム あり なし
・第2世界   フレーム あり なし
・第3世界   フレーム あり なし
・あとがき   フレーム あり なし


◆歩きかたについて

エンカウント調整では、敵の出る直前で「メニュー開閉」や
「マップジャンプ」を行う必要があるため、
フィールドやダンジョンの「歩きかた」を守らないといけません。
各場面でどう歩くかは、【操作内容】に 赤字 で記載しました。

「最少歩数」というのは、1歩も無駄に歩かず、
最短ルートで目的地に向かうという意味です。

「+?歩」というのは、最少歩数の場合から、
数値ぶん余分に歩くという意味です。

マップによっては「歩数がカウントされないマス」があり、
それを利用して、歩数を細かく調整する場合があります。


◆略称について

レポートの横幅が広がると読みづらくなってしまうので、
一部のジョブ名・アイテム名は略称を使い、無理やり詰め込んでいます。
以下に、正式表記と略称を記載しておきます。


<ジョブ名> 【正式表記→略称】

・ナイト  → 《ナ》
・シーフ  → 《シ》
・竜騎士  → 《竜》
・忍者   → 《忍》
・侍    → 《侍》
・魔法剣士 → 《魔》
・白魔道士 → 《白》
・黒魔道士 → 《黒》
・時魔道士 → 《時》
・召喚士  → 《召》
・青魔道士 → 《青》
・赤魔道士 → 《赤》
・魔獣使い → 《獣》
・薬師   → 《薬》
・風水士  → 《風》
・吟遊詩人 → 《吟》
・すっぴん → 《す》


<アイテム名> 【正式表記→略称】

・かわのたて    → 革盾
・かわのぼうし   → 革帽
・かわのふく    → 革服
・かわのくつ    → 革盾
・ゴールドシールド → 金盾
・ゴールドアーマー → 金鎧
・ボーンメイル   → 骨鎧
・ヒュプノクラウン → ヒュプノ
・ダンシングダガー → ダンシング
・ブロードソード  → ブロード




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